<アジア大会:卓球>◇第12日◇9月30日◇韓国・仁川

 卓球団体女子で世界ランク14位福原愛(25=ANA)が、同2位丁寧から初勝利を挙げた。中国との決勝第1試合で対戦して3-1で勝った。過去5戦全敗でロンドン五輪でもシングルスで敗れた強豪を打ち破った。チームは1勝3敗に終わって48年ぶりの決勝は銀メダルとなったが、2年後のリオ五輪での打倒中国の悲願達成へ、光が差した。

 一気の反撃だった。ゲームカウント2-1の第4ゲーム。福原は3-9から7連続得点で王手。ジュースで粘る丁寧を3度目のマッチポイントで振り切った。両拳を上下させて、両足でピョンピョンとびはねた。

 「初めて勝ちました。第1試合で相手が緊張していると感じて、できるだけ攻めていこうと思った」。

 取材エリアでは中国メディアが殺到した。「どこが勝っていたと思うか?」「昨日の疲れはないのか?」など矢継ぎ早に質問が飛んだ。中国でも人気の福原だが、この日の質問はライバルと認められた証拠だった。

 左足小指のけがから復帰した5月。全日本選手権V7の馬場(旧姓星野)美香コーチと新タッグを結成。「美香先生とやっていつも中国を意識して勝つという気持ちでやりました」。これまで中国出身コーチに師事したが、今度は日本人コーチの視点から打倒中国の方策を探る。「前の自分を超えていきたいと思ってやってきた」。

 結果は銀メダルも、村上監督は「中国との差はロンドンで2対8だったが、今は3対7。リオまでに4対6にできたら」。福原も「今日は(チームが)中国に負けてすごくくやしい。それは進歩かな」。打倒中国を夢ではなく、現実として捉え始めた。【益田一弘】