「団体金」届かず…次は主婦業との両立

- 14位でゴールした小崎まりは観衆に手を振る(撮影・田崎高広)
小崎まり(32)が2日、女子マラソンに出場し2時間35分4秒で14位となった。序盤は先頭集団につけて積極的なレース運びを見せたが、両足にできたマメの影響もあり30キロすぎから後退した。しかし、順位は前回のヘルシンキ大会の15位を1つ上回り、日本人3番目で各国の上位3選手のタイムで競う団体戦の銅メダル獲得に貢献した。
痛みとの戦いだった。レース前半から両足裏と右足の指にマメができた。「(マメは)気のせいだと思うようにしました」と痛みを忘れようとした。地元大阪の観衆の大声援で気を紛らわした。しかし、レース後半にはカーブを曲がるたびに激しい痛みに襲われた。
「足が作れていなかった」。大会前に貧血のような症状が出て体調不良に陥り、長い距離を走り込めなかったツケがマメという形で出た。「せっかくいい靴を作ってもらったのに、靴のほうが私の足よりレベルが高かった。三村さんの技術に負けたかな」と精一杯のジョークを交えて振り返った。
小崎にとって今回は前回大会のリベンジでもあった。世界選手権のマラソンに初出場したヘルシンキでは15位。レース前日まで天候不順で風邪気味になった。本来なら大好きな入浴でリラックスして体調回復に努めるが、フィンランドはサウナの国。小崎が宿泊したアパート形式のホテルにはサウナはあったが風呂がなく、それができなかった。小崎の所属会社の関係者は「(風呂関連用品を製造している)ノーリツの陸上部員が風呂に入れなかったなんて、シャレにもなりませんね」と苦笑したものだ。さらに前回は日本人4位に終わり、団体戦の金メダル獲得に貢献できなかったことも悔いとして残った。今大会直前の会見でも小崎は「団体で金を取りたい」と個人のメダルよりも団体の金メダルにこだわった。
苦しい戦いだったが成績は前回をひとつ上回った。メダルの色は銅だったが日本人で3番目にゴールしで団体3位にも貢献した。それでも小崎は「もうちょっと粘ればよかった」と残念そうな表情を見せた。
地元での挑戦は終わった。来年は北京五輪が控えている。しかし、小崎は五輪挑戦に関して「これから考える」と言葉を濁した。今年3月に結婚し、普通の主婦の生活や出産にもあこがれがある。「周りの人から見たら『(競技や練習で)主婦やってへんやん』んて見られてるでしょ。学生が勉強して競技に出るように、主婦もやって競技も出るという生活がしたいです。もちろんノーリツにも勤めて駅伝にも出たい」。小崎の心境は複雑だ。両立が難しいことも分かっているが、本当の意味での“主婦ランナー”になることを究極の目標として小崎が次への挑戦を始める。
[2007年9月2日18時52分]
- 小崎まり(おざき・まり)
- 1975年(昭和50年)7月16日、大阪府枚方市生まれ。宇治高(現立命館宇治高)から大阪短大(現太成学院大)を経て、1996年にノーリツ入り。世界選手権には過去2回出場しており2001年エドモントン大会1万メートル19位、2005年ヘルシンキ大会マラソン15位。マラソンの自己ベストは03年1月の大阪国際でマークした2時間23分30秒(日本歴代10位)。2007年3月に結婚。162センチ、46キロ。血液型はAB。
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