陸上の世界選手権(15日開幕・ベルリン)の女子で最大のスターは棒高跳びのエレーナ・イシンバエワ(ロシア)だろう。昨夏の北京で5メートル05の世界新記録を樹立して五輪2連覇を飾った女王は、7月に主要大会では6年ぶりの敗北を喫したが、3連覇が懸かる今大会の大本命に変わりない。

 100メートルは北京五輪金メダリストのシェリーアン・フレーザーらジャマイカ勢に、米国勢が挑む。200メートルは北京を制したベロニカ・キャンベル・ブラウン(ジャマイカ)と3連覇を狙うアリソン・フェリックス(米国)の対決。今季、両種目で日本新を連発している福島千里(北海道ハイテクAC)とライバルの高橋萌木子(平成国際大)はまず、日本勢初の1次予選突破が目標になる。

 400メートルは実力世界一のサーニャ・リチャーズ(米国)が五輪も含め悲願の金メダルを手にするか。丹野麻美(ナチュリル)は前回に続く準決勝進出が目標。400メートル障害の久保倉里美(新潟アルビレックス)も北京に続く準決勝進出を狙う。

 20キロ競歩は渕瀬真寿美(大塚製薬)と川崎真裕美(富士通)が上位をうかがう。ティルネッシュ・ディババ(エチオピア)が五輪に続く2冠に挑む長距離は中村友梨香(天満屋)や福士加代子(ワコール)がどこまで食らいつけるか。走り高跳びは今季世界最高を出しているアリアネ・フリードリヒ(ドイツ)と前回女王のブランカ・ブラシッチ(クロアチア)の勝負に注目だ。(共同)