<陸上:日本選手権>◇最終日◇28日◇広島広域公園陸上競技場

 エースが欠場した男子100メートルに新星が現れた。江里口匡史(20=早大)がA標準(10秒21)を破る10秒14で初優勝した。準決勝で10秒07を出し、前日の予選で塚原が出した10秒09の日本歴代4位を更新。「条件がそろった中での記録なので、まだまだ自分の実力だと思っていない」と、控えめながらも初の世界選手権代表を喜んだ。

 鹿本高(熊本)3年の国体で優勝し注目された。昨冬に初めて全日本の400メートルリレー合宿に参加し、塚原らと練習したことで意識が向上したという。その塚原との直接対決を逃し、残念そうな顔も見せたが「10秒07は塚原さんがつくった波に乗っかっただけ。冷静に分析しないと次は出ない」と気を引き締めていた。