「ジェット桐生」が連敗を喫した。雨が降る100メートル決勝。向かい風0・2メートルで10秒40。桐生祥秀(19=東洋大)は、塚原と同着の2位。前日18日の200メートル3位に続き得意の100メートルでも敗れた。「悔しいばっかり。雨は関係ない。甘えというか、どこか変な余裕があった。リラックスしすぎた。欲が足りなかった」。

 予選は向かい風0・1メートルで10秒36の1着通過。映像を見て「中盤にやたら体が上がっていた」。走りの修正を試みたが、うまくいかなかった。さらに決勝はスタートのやり直しがあり「最初に出た時、前に体が乗っていかない、体が重いなあと感じてしまった」。13年4月に10秒01を出した後“真剣勝負”の100メートルで敗れたのは山県に続いて、ケンブリッジが2人目だ。

 土江コーチは「200メートルの後半で体が突っ立った。その影響が今日も出たかな。後半はバラバラになっていた」と分析。3月に追い風参考で9秒87を出した影響を問われて「注目を浴びて、ふわふわしたところがあったのかなと思う」。

 油断すれば、抜かれる。勝負の厳しさを、再確認した。「トップをとりたい、という気持ちがさらに増した」と桐生。無念は次回にぶつける。【益田一弘】