男子三段跳びではロンドン五輪金メダリストのクリスチャン・テイラー(25=米国)が優勝。18メートル06の世界歴代4位、ダイヤモンドリーグ最高記録タイというハイレベルの記録をマークした。

 前半3回の試技が終了した時点ではペドロ・パブロ・ピカルド(22=キューバ)が17メートル99でリードしたが、テイラーは5回目に18メートル02で逆転。最終6回目に18メートル06と記録を伸ばした。

「18メートル台を2回跳べたことは、自分がさらに上のレベルに成長中であることを意味している」

 今後は世界記録更新も期待してしまうが、ジョナサン・エドワーズ(英国)が1995年の世界陸上で跳んだ18メートル29とは、まだ23センチの開きがある。テイラーも「ターゲットは18メートル10の米国新記録」と言う。その数字でも世界歴代2位で、過去20年間誰も跳んでいない記録である。

 テイラーは「次の試合はモナコ(7月18日のダイヤモンドリーグ第10戦)。何が起こるのか、一緒に見ようじゃないか」と、自信たっぷりに話した。

 男子100メートルはジャスティン・ガトリン(33=米国)が9秒75の自己2番目タイの好タイムで優勝。ウサイン・ボルト(28=ジャマイカ)は出ていなかったが、前世界記録保持者のアサファ・パウエル(32=ジャマイカ)、世界歴代2位を持つタイソン・ゲイ(32=米国)との対決を制した。

 女子走り高跳びではアンナ・チチェロワ(32=ロシア)が2メートル03の今季世界最高で優勝。2年前の世界陸上は地元モスクワでの開催で、優勝候補筆頭に挙げられながら3位と敗れた。「2013年以降で一番良い日」と、復調をアピールした。

◆今季の男子三段跳び

 5月のダイヤモンドリーグ・ドーハ大会で優勝したピカルドが18メートル06を、2位のテイラーが18メートル04を跳んだ。史上初めて2人が18メートル以上を記録した試合として話題になった。

 さらにピカルドは、その2週間後に18メートル08の世界歴代3位をマーク。跳躍で好選手を輩出し続けているキューバの新鋭が、8月の北京世界陸上の金メダル候補に挙げられるようになった。

 だが、ローザンヌでテイラーも今季2試合目の18メートル台を跳び、2度目の直接対決でピカルドに雪辱。テイラーは「今季の三段跳びはエキサイティングな種目であり続けると思う」と話した。