世界ユース(17歳以下)選手権男子短距離2冠のサニブラウン・ハキーム(16=東京・城西高2年)が、意地の初タイトルを誓った。この日の男子400メートルリレー決勝はアンカーで2人を抜いたが、40秒63で6位。100メートルに続いて優勝を逃し「次はさすがに負けちゃあ、まずいです」と、今日1日の同200メートルでの逆襲を予告。22日開幕の世界選手権北京大会代表が確実な逸材だけに、手ぶらでは帰れない。

 おどけた口調の裏に、闘志を隠した。サニブラウンは「優勝して帰りたい。次はさすがに負けちゃあ、まずいです」。今日1日は世界選手権で出場確実な200メートル。猛暑の和歌山で「正直、走りたくないです」と笑ったが、世界ユース王者として高校総体を無冠で終えるつもりはない。

 この日のリレーは1年生3人と出場。最下位の8番手でバトンを受けた。猛烈な追い込みで2人を抜いて順位を6位に上げた。「1、2年生のチームとしてはいい結果。来年は優勝したい」と口にした。

 身長187センチで、足のサイズは30センチ。恵まれた体を持つが、実は「草食系スプリンター」だ。好きな食べ物は「肉はそんなに食べません。生の野菜サラダが好きです」。育ち盛りの高校生だが、どんぶりでご飯を食べることはない。睡眠は1日10時間を心がけており「目覚ましをかけないと、もっと寝る感じ」。もちろん夜更かし厳禁。趣味は携帯型ゲーム機で遊ぶことだ。

 ヘルシーな生活を送るが、レースでは別人。今日1日の200メートルは予選、準決勝、決勝の3本。「今の状態ならいいタイムが出ると思います。100メートルで負けたので200メートルで返したい」。初タイトルをつかみ北京に向かう。【益田一弘】