世界記録保持者の鈴木雄介(27=富士通)は、無念のリタイアとなった。

 5月から恥骨に痛みを覚え、痛みを抱えたまま練習を続行。検査の結果、炎症が判明していた。

 そんな中でのレースは、序盤からややスローペースとなり、鈴木もライバルの中国勢に入り先頭集団を形成。だが、11キロを過ぎたあたりで歩みを止め、自ら両手で×マークを作り、途中棄権した。レース終了後、鈴木は「最初から痛みはあった。7、8キロで痛くなって(痛みが強くなって)我慢したけど、完歩するより今後を考えて止めました」と話した。

 世界選手権では男子ハンマー投げの室伏広治以来、日本人5人目の金メダルが期待されたが、頂点の夢は来年のリオデジャネイロ五輪以降に持ち越された。他の2人も不本意に終わり、日本勢の3大会連続8位入賞はならなかった。