国際陸連の倫理委員会は11月30日、ケニア陸連のキプラガト会長やオケヨ副会長ら幹部3人に対し、180日間の暫定的な資格停止処分を科したと発表した。反ドーピング態勢に関する不正疑惑、米スポーツ用品最大手ナイキ社と結んだスポンサー契約料の一部を不正に流用した疑いなどを問題視した。組織ぐるみの薬物違反を摘発されたロシアから長距離王国ケニアにも問題が拡大する見通しだ。

 キプラガト会長には2014~15年にカタール陸連から車2台を贈られた疑いも持たれ、昨年11月に19年世界選手権の開催地がドーハに投票で決定した背景との疑惑が浮上する可能性もある。国際陸連の理事でもあるオケヨ氏、ケニア陸連で元財務担当のキニュア氏を加えた幹部3人は地元警察にも捜査され、約70万ドル(約8600万円)以上を着服した疑いが報じられている。国際陸連は「調査が終わるまで3人は推定無罪のままだ」と強調した。

 ケニアでは12年以来、40選手以上のドーピング違反が相次ぎ、世界反ドーピング機関(WADA)はロシアに続いて強い懸念を表明している。27日にはトップ選手の7人がドーピング違反で資格停止処分を受けた。