「ハッピー大作戦」で連覇を狙う。第92回東京箱根間往復大学駅伝(来年1月2、3日)の監督会見が10日、都内で行われ、出場21チームのエントリー選手(各16人以内)が発表された。1年前に「ワクワク大作戦」で初優勝した青学大は先月の全日本で2位と目標の3冠を逃し、一時は沈滞ムードが漂った。原晋監督(48)は前向きな姿勢を取り戻すべく、連覇への作戦を「ハッピー大作戦」と命名した。

 会見前日の9日の夜、青学大の原監督は住み込む合宿所のバスタブにつかりながら、恒例の作戦名を考えた。チームの現状を踏まえたタイムリーなものはないか。思い巡らしていると「ハッピー大作戦がふっとわき出た」という。

 エース級の選手がそろった今季の目標は3冠。10月の出雲を難なく制したが、先月の全日本では東洋大に敗れ2位。昨年度の箱根を含め、右肩上がりが続いただけに、チームは落ち込んだ。原監督も優勝した昨年度と比べた減点法の指導に陥ったが、優勝を逃した全日本の映像を見直して考えを改めた。

 「わたしも含め、みんなのしょぼくれた姿を見て、これは青学じゃないと」。「ワクワク大作戦」の1年前は怖いもの知らずの勢いがあった。前向きな明るさが青学大のカラー。「みんなのハッピー指数を上げる。運動だけではない。心のピーキング。テンション上げていく」と、重圧を振り払う「ハッピー大作戦」の狙いを説明した。エースで主将の神野大地(4年)は昨年度の山登りの5区の快走後、2月に左太もも、6月には右すねを疲労骨折。先月の全日本で復帰も左足に痛みが出た。ここ1カ月は別メニューだったが、今月に入って本格練習を開始。原監督は「安心してください。走りますから」と明言した。

 チームの「ハッピー指数」は全日本敗戦後は20~30%、今は50~60%と分析する。「本番までに80~90%に上げ、ゴールでは120%にしたい」。「ワクワク」に続く「ハッピー」が青学大連覇のキーワードになる。【田口潤】