全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)は16年1月1日、前橋市の群馬県庁前を発着点とする7区間(100キロ)で行われる。昭和40年代に2度の全国優勝をしているマツダ(当時の社名は東洋工業)がニューイヤー駅伝での古豪復活を期して本大会に出場する。

 11月に行われた中国地区大会は昨年まで中国電力が18連勝中だったが、その強豪を破って43年ぶりに制した。増田陽一監督は「ニューイヤー駅伝でも上位常連である中国電力に勝てば、本番でも良い結果を出せると考えて頑張ってきました。そこに“43年ぶり”がついて、社内でも喜んでもらえましたし、選手たちも1年間やってきたことが結果になって自信になりました」と笑顔で話した。

 中国地区大会は滞在日数不足で外国人選手を起用できず日本選手だけで戦った。そんな中、1区大須田優二(25)が区間賞の快走。インターナショナル区間の2区で2位に落ちたが、3区山本憲二(26)も区間賞でトップに肉薄。さらに4区延藤潤(24)も区間賞の走りでトップに立ち、その後の5~7区で中国電力に詰められたが逃げ切った。増田監督は「00年代は中国地区でどうやって2位を取るかで汲々としていました。そのなかでも徐々にキーとなる選手が出てきてくれて、5年くらい前から中国電力に勝ちたい、と考え始めました」と今年の復活劇の裏側を話した。

 低迷していた間も円井彰彦(31)がエースとしてチームを支え、松岡紘司(33)はニューイヤー駅伝1区で何度かヒト桁順位で走っている。彼らベテラン勢の頑張りも復活の要因の一つとなっている。

 ニューイヤー駅伝では外国人のニャコラ・テレッサ(20)も2区に出場できる。円井と、1万メートルで28分20秒台まで成長した山本と大須田の3人で、1、3、4区を分担することになりそうだ。増田監督は「4区を終わってヒト桁順位にいることができれば、目標の10位以内も見えてきます」とレース展開を見据えた。

 会社は2020年に創立100周年を迎える。それまでに「輝きを取り戻したい」と増田監督。43年ぶりに中国地区チャンピオンとして臨むニューイヤー駅伝を、そのためのステップとする。