東洋大は2位に終わり、酒井監督は後援者、学校関係者の前で「東洋大は2位を目指すチームではありません」と声を張り上げ、敗北を認めた。打倒青学大に燃えたが、10区間で勝ったのはエース服部勇(2区)、青学大の中村が7位に終わった9区(高橋5位)の2区間だけ。「結局、青学さんに勝てる有効打は勇馬1人だけだった」。

 復路は7区桜岡の区間2位が最高だった。青学大に比べて、現状のチーム力のなさを痛感していた。「3区弾馬の序盤ですね、あそこで主導権が青学さんに渡ってしまった」と、レースの分岐点を具体的に指摘した。3分4秒差で追った6区口町(3年)でさらにタイム差をつけられ、完敗だった。

 主将服部勇は、渡辺(4年)のゴールを出迎え、涙を流した。「渡辺がゴールするまで2位の実感がなかった」。今後はマラソンを目指す。その弟弾馬(はずま)は「最後の駅伝で兄に迷惑をかけてしまった。今の自分は短い距離(トラック)なら、調子を合わせる自信はあるが、長い距離ではない。来年は4年、どんと構えられるようにしたい」と、自分の弱点と向き合い、2位の結果を受け入れていた。【井上真】