ロシア陸上界の組織的なドーピングや国際陸連の汚職問題を受け、スイスの食品大手ネスレは10日、国際陸連と提携してきた育成事業「キッズ陸上プログラム」から撤退する方針を明らかにした。「差し迫ってキッズプログラムの契約を終了することに決めた」と声明を出した。

 国際陸連は発表を受け「5年契約の最終年で、ネスレとは協議を続けている」と交渉が継続中であることを声明で強調した。

 ディアク前会長がドーピング違反の隠蔽(いんぺい)工作に絡んで汚職や不正に積極的に関与したと指摘された国際陸連は、コー会長の下では抜本的な組織改革が課題となっている。だが、1月には公式協賛社からドイツのスポーツ用品大手アディダスが撤退する方針を示し、波紋が広がっている。