陸上のIAAF(国際陸連)ワールドチャレンジ第3戦「セイコーゴールデングランプリ陸上2016川崎」が8日、等々力陸上競技場で開催される。世界から集結するトップアスリートに挑む日本の6選手を紹介する。第6回は男子100メートルのサニブラウン・ハキーム(17=城西高)。

 チャレンジ精神で、トップスプリンターに臨む。驚異の17歳は「周りが強いほどやる気が出るかなと思います」。3日の静岡国際(200メートル2位)5日の水戸招待(100メートル3位)に続いて6日間で3レース目。「レベルの高い選手が出る。正直戦えるか、わからないが、万全で出たいと思う」と気持ちを高めている。

 大舞台での強さは折り紙付きだ。昨夏の世界選手権北京大会。世界最年少の16歳172日で男子200メートル準決勝進出を果たした。予選で同組だったガトリンを「このヤングガイはすごいな」と驚かせたほど。今年は得意の200メートルに加えて100メートルのトップスピードを上げることを掲げる。「身長が(187センチで)止まってきたから筋肉がつきやすくなったかも」。体重74キロは変わらないが、筋力強化にも取り組み、周囲から「体が大きくなった」と言われることも多くなった。

 今年の目標はU-20世界選手権(7月、ポーランド)での短距離2冠だ。リオ五輪は「運任せ。『出るぞ』というよりも日本選手権(6月、愛知)でしっかり戦って出られればいい」という。ポーランド経由リオ行きがかなえば、理想だ。

 明日8日は、10秒01を持つ桐生と初対決になる。自己ベスト10秒28は出場8人中8番目だけに「桐生選手に100メートルではまだかなわないんじゃないかな」。ただ昨夏の北京でビッグサプライズを起こしただけに目が離せない。【益田一弘】(おわり)