陸上のダイヤモンドリーグ第8戦のバウハウス・アスレティクスが16日、スウェーデン・ストックホルムのオリンピック・スタジアムで行われる。豪華メンバーが揃ったのは男子やり投げで、金メダリスト3人に加え日本期待の新井涼平(24=スズキ浜松AC)も出場する。記録的には男子3段跳びのクリスチャン・テイラー(25=米国)、女子100メートル障害のケニー・ハリソン(23=米国)、同3000メートル障害のルス・チェベト(19=バーレーン)の3人が、昨年から今年に懸けて世界歴代2位をマークしている。世界記録への挑戦が期待できそうだ。

 群雄割拠の男子やり投げを象徴する大会になる。

 昨年の北京世界陸上のジュリアス・イェゴ(27=ケニア)と、12年ロンドン五輪のケショーン・ウォルコット(27=トリニダードトバゴ)、さらに13年モスクワ世界陸上のヴィティスラフ・ヴェゼリー(33=チェコ)と3人の金メダリストがエントリーした。世界歴代3位の92メートル72を持つイェゴと、ウォルコットの2人が“超一流”の証である90メートル台の記録を持つ。

 そしてヴェゼリーと、89メートル30の今季世界最高を投げているトマス・レーラー(24=ドイツ)が88~89メートル台で、この2人も90メートル候補だ。

 スタジアムレコードは89メートル78で、過去に世界記録は5回も出ている競技場。90メートルのビッグアーチが見られるかもしれない。

 そこに加わりたいのが昨年の世界陸上9位の新井である。自己記録は昨年マークした86メートル83で、「90メートル」も視野に入れるようになった。今大会で5位以内に食い込めば、リオ五輪の入賞も見えてくる。

 だが、今季の新井は試合毎に記録の差が大きい。5月8日のゴールデングランプリ川崎で84メートル41を投げたが、翌週のダイヤモンドリーグ上海大会は80メートル07に終わり、今月9日のダイヤモンドリーグ・オスロ大会は76メートル82とさらに記録を下げた。

「全力では動けていてもなぜ飛ばないのか、何が悪いのかわからない感じです」と、自身のツイッターでコメントした。動きのどこかが狂っているのは間違いない。1週間でどう修正してくるか。

 男子やり投げ以外でも、男子棒高跳びのショーン・バーバー(22=カナダ)とルノー・ラビレニ(29=フランス)、女子走り幅跳びのティアナ・バルトレッタ(30=米国)とブリットニー・リーズ(29=米国)、同円盤投げのデニア・カバーリョ(26=キューバ)とサンドラ・ペルコビッチ(25=キューバ)など、北京世界陸上とロンドン五輪の金メダリスト同士の対決が実現する。リオ五輪を占う上でも見逃せない戦いが続く大会だ。

 ◆ダイヤモンドリーグはIAAF(国際陸上競技連盟)が主催する最高カテゴリーの競技会シリーズ。今季はドーハ大会を皮切りに9月のブリュッセル大会まで全14戦が開催される。各大会の種目別優勝賞金は1万ドル(2位6000ドル~8位1000ドル)。各種目は年間7大会で実施され、各大会のポイント(1位10点~6位1点)合計で争われる年間優勝者には4万ドルとダイヤモンド入りトロフィーが贈呈される。出場者はトップ選手に厳選され、ほとんどの種目が予選なしの一発決勝。緊張感あるレースが次々に行われる。また、オリンピックや世界陸上のように1国3人という出場人数の制限がない。ジャマイカ、アメリカ勢が揃う短距離種目や、アフリカ勢が多数出場する中・長距離種目などは、オリンピックや世界陸上よりも激しい戦いになる。