日本男子リレーが再び世界を驚かす。日本陸連は27日、男女合計32人のリオデジャネイロ五輪代表(マラソン、男子競歩を除く)を発表。男子400メートルリレーには男子初の銅メダルを獲得した08年北京大会に匹敵するスプリンターが集結。男子200メートル代表で2大会連続出場の飯塚翔太(25=ミズノ)はアンカーを希望し、4位に終わったロンドン大会の雪辱を誓った。

 照準は2大会ぶりのメダルだ。飯塚は言った。「バトンは投げた方がいいですよね!」。最終走者の朝原が天高く赤いバトンを投げた北京での名場面。「まだメンバー決まってないのでアピールしないと。アンカー走りたいですよ!」と声を弾ませた。

 強力布陣が期待を大きくさせる。自己記録10秒01の桐生、10秒06の山県、10秒10のケンブリッジ。そこにパワフルな体で競り合いに秀でた飯塚が加わる。北京に続くメダルは射程圏だ。4位だったロンドン大会ではウイニングランをするジャマイカ代表を山県と見つめ、「もう1回ここに戻ってこよう」と誓い合った。

 07年世界選手権大阪大会での38秒03の日本記録更新も、現実的な目標だ。“史上最強”との呼び声高い短距離陣。「これだけ注目されていたらパフォーマンス向上につながる」と飯塚。リオの空に向け、歓喜のバトンを投げてみせる。

 ◆07年世界選手権大阪大会での男子400メートルリレー日本記録 走順と100メートルの自己記録は塚原10秒09、末続10秒03、高平10秒20、朝原10秒02。1次予選で38秒21のアジア新記録を樹立し、優勝候補の米国、ジャマイカに続く3着。決勝でも2日連続のアジア新記録の38秒03を出した。上位4カ国が38秒を切る史上最高レベルの戦いに敗れて順位は5位だった。