陸上男子長距離の大迫傑(25=ナイキ・オレゴンプロジェクト)が、リオデジャネイロ五輪への確かな手応えを語った。

 29日、東京・駒沢陸上競技場で行われたナイキ製ランニングシューズの新モデル発表イベントに参加。昨年から米オレゴンを拠点に活動する大迫は、司会の為末大氏から「オレゴンで何が変わったのか?」と問われると、落ち着いた様子で「一番はメンタル的な部分。常にレベルの高い選手とトレーニングして、自分の中の壁が1つ壊れた。今年は(壁を)大きく、突き破ることができた」と話した。

 先週行われた日本選手権では、圧倒的な強さで5000メートルと1万メートルの2冠に輝いた。もともと走りの美しいフォームには定評があったが、為末氏から「日本選手権の走りを見ていると、腰が高くなった。腰高で走るのは短距離選手が意識することなんですけど」と話を振られると、大迫は「それはあまり意識していないですけど、日頃スピード練習が多く、その中で徐々にフォームが良くなった」。そして「なるべく上体を起こさないように前傾をかけるとうまく足が回る」と自らの走りについて解説。イベントに同席した服部弾馬(東洋大)も「理想のフォームは大迫さん」と羨望(せんぼう)のまなざしを向けた。

 リオデジャネイロ五輪には5000メートルと1万メートルの2種目に出場。為末氏から大会への抱負を問われると「特に1万メートルでは8位入賞が見えている。そこを目指して淡々と練習をこなしていく」ときっぱり。そしてレース展開について「速いペースになると思うが、しっかりついていける力がついている。ラスト800、400までいけるし、そこまでリラックスして最後の勝負まで足をためたい。(最後は)粘る方が得意ではあるんですけど、(最後に)順位を上げることもできる。両方想定してトレーニングしていきたい」と話した。