女子100メートルで新女王のエレイン・トンプソン(24=ジャマイカ)が圧勝するなど、リオ五輪金メダリストが順当勝ちを収める一方で、男子110メートル障害や女子走り幅跳びなど、金メダリストが敗れた種目も4種目あった。五輪直後のためか記録は全般に低調だったが、男子1000メートルで今季世界最高が誕生した。

 男子1000メートルには、リオ五輪1500メートル金メダルのマシュー・セントロウィッツ(26=米国)も出場していたが、リオでは4位だったアヤンレー・スレイマン(23=ジブチ)が2分13秒49の今季世界最高、世界歴代でも5位のタイムで優勝した。

 「リオ五輪は残念な結果だったが、今日は自分の強さを見せることができた。歴代5位というのは誇らしいね」と、種目は違うが五輪の雪辱を喜んだ。

 女子100メートルにはリオ五輪で200メートルとの2冠を達成したトンプソンが出場。

 「五輪2冠となった現実が、自分ではなかなか実感できていません」と言いながらも、2位に0・33秒差で圧勝。10秒78は自己3番目の好タイムで、新女王の実力を見せつけた。

 女子走り幅跳びはリオ五輪銅メダルのイワナ・スパノビッチ(26=セルビア)が6メートル83で優勝。金メダリストのティアナ・バルトレッタ(30=米国)は5位と振るわなかった。

 ロシア選手でありながら外国を拠点に活動しているため、直前にリオ五輪参加が認められたダリア・クリシナ(25=ロシア)も女子走り幅跳びに出場。リオでは9位だったが、ローザンヌでは6メートル50で3位に食い込んだ。

 「メンタル面でタフさが求められるシーズンでしたが、こうして試合に復帰できているのはうれしいです。ロシアの状況ができる限り早く整理され、私たち選手はパフォーマンスにだけ集中したい」

 次の目標を来季の室内シーズンに定めていた。

 ◆今季の女子100メートル

 トンプソンが7月のジャマイカ選手権優勝時に出した10秒70(世界歴代4位)が今季世界最高。それでもリオ五輪は、五輪2連勝中のシェリー・アン・フレイザー・プライス(29=ジャマイカ)のケガからの復調や、10秒7台を今季出していた米国勢の走り次第では、誰が勝つかわからなかった。

 リオ五輪はトンプソンが2位のトーリ・ボウィー(25=米国)に0・12秒差で快勝。10秒71の自己セカンド記録で、大一番を走り抜けた。五輪後のローザンヌ大会も圧勝し、今季無敗を続けている。

 女子100メートルはトンプソン時代になった。