男子は、秋田工が2時間7分23秒で史上5校目の3連覇で通算4度目の東北王者に輝いた。1区のエース斎藤椋(3年)が2年連続の区間賞で流れをつくり、最終7区の杉本雄月(2年)が終盤までもつれた競り合いを制した。女子は、最終5区で逆転した青森山田が1時間10分26秒で2年連続9度目の優勝を決めた。

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 秋田工が今年も東北王者の看板を背負って4年連続22度目の都大路(全国高校駅伝=12月25日)に挑む。男女を通じて、公立校では男子4連覇を達成した84年(昭59)の秋田中央以来32年ぶり2校目の快挙。大友貴弘監督(60)は「(全国出場を決めている他県の)ほかの学校はメンバーを落として来ていますから。でも先輩たちがつくってきたものを積み上げて自信になったと思う」と振り返った。

 全国出場を決めた県予選からオーダーとメンバー2人を入れ替える中、不動の1区・斎藤がエースの役割を果たした。序盤からレースを引っ張り、目標タイムを4秒上回る29分36秒の区間賞でタスキリレー。2位を9秒引き離した斎藤は「7キロ過ぎの上りでストライドからピッチに変えた。もっと差をつけたかった。全国でも区間賞を目指したい」と貪欲に話した。

 4区で2位仙台育英(宮城1位)に逆転され、最大37秒差をつけられたが、動じなかった。5区・竹村拓真(1年)が32秒差に詰め、6区・佐藤慎太郎(3年)が斎藤に続く区間賞で再逆転。県予選を含め、主要駅伝初出場のアンカー杉本が、残り500メートル付近からスパートする冷静なレース運びで仙台育英との一騎打ちを制した。

 佐藤は県予選で4区・区間賞も、設定タイムを1分以上もオーバーする大ブレーキ。6区勝負とにらんでいた大友監督に「駅伝の借りは駅伝でしか返せない」と言われて発奮。レース後は「プラン以上。立役者」と信頼を取り戻した。県予選を右足故障で回避した2区・続木日向(2年)も都大路に向けて復調気配を感じさせた。今季、苦手な上りを集中的に練習した斎藤は「都大路の1区も上りが続く。チームの流れを作りたい」と2年ぶりの全国入賞(8位以内)に向けて闘志を燃やした。【佐々木雄高】

○…青森山田は、入学時から主力を務める最終5区のケニア人留学生モニカ・マーガレット(3年)が高校最後の都大路に向けて「進化」を見せた。トップと48秒差の3位でタスキを受け、3キロ付近で逆転。地元での初V目前だった盛岡誠桜に13秒差をつけて連覇のゴールテープを切った。

 2年連続区間賞のモニカは「普通に走れば大丈夫と思った。でも2位になってこのペースではいけないと思った」とギアチェンジ。最後の上り坂で首位を奪って逃げ切った。昨年まで片言の日本語だったが、レース後は記者たちに仙台育英の男子ケニア人留学生の通訳も依頼される上達ぶり。その走力ともども周囲を驚かせた。

 モニカを含め、チームには昨年の全国16位レギュラー4人が残る。14年度までは3年連続全国入賞。大島健治監督(47)は「最低でも(1時間)9分30秒を切って入賞したい」と全国ベスト8復帰を目標に掲げた。