第93回東京箱根間往復大学駅伝(来年1月2、3日)に出場する明大が11日、都内で練習を公開した。5000メートルチーム最速ながら、臀部(でんぶ)のけがで前回3区区間最下位で、原因不明の病「真性多血症」と闘う坂口裕之(2年)が、再び箱根を目指す。

 昨季の明大は坂口の失速で9季ぶりにシード権を失った。けがも治り、練習が軌道に乗り始めた9月末、検査で一般的な人より血液が濃いという病が発覚した。自覚症状はないだけに「走れる体なのに走れないもどかしさ」で悩んだ。週1回、約400ミリリットルの血液を抜き、生理食塩水を点滴で体に入れ薄めた。「血がドロドロで細い針だと抜けない」。それを6回繰り返し、2週前に平常値に戻った。11月末から箱根に向けて練習再開。「ぎりぎりの状態。今の練習をこなせれば間に合う」ながら、西弘美監督(64)は「エースは坂口」と期待を込めた。

 ◆真性多血症 骨髄増殖性腫瘍の一種。赤血球が増えることで、血液の粘度が高まり、その影響で多くの症状を起こす。陸上の場合、練習量が増え、脱水症状になると、粘度が高くなることで血液の循環が悪くなり、心筋梗塞の原因にもなる。現在、根本的な治療法はないとされる。