新エース誕生の予感だ。東京箱根間往復大学駅伝(来年1月2、3日)に1年生8人をエントリーした東海大が16日、神奈川・湘南キャンパスで練習を公開した。2区(23・1キロ)は、10月の出雲駅伝エース区間の3区で区間賞デビューしたルーキー、関颯人の投入が濃厚だ。関は、OB伊達秀晃が05年に出した日本人1年生の2区最高1時間8分4秒を破ると宣言した。

 関の切れ長の目が、一層きりっと引き締まった。「伊達さんのタイムを切っていきたい」。1年目の箱根でいきなり任されるのは花の2区。目標に掲げたのは05年に先輩の伊達(元中国電力)が打ち立てた、日本人1年生では最高の1時間8分4秒の更新だ。両角速監督(50)は「5000、1万メートルの記録から見て(更新は)十分ある」と自信たっぷり。「彼はエースとしての素地を持っている。学生長距離界を引っ張るスターになってほしい」と伊達、村沢(日清食品)を超える2区のスター誕生に期待を寄せた。

 生まれ育ったのは、標高1100メートルの長野県茅野市。小学生の頃から週末は父貴さんとともに八ケ岳など近隣の3000メートルの山々を走ってきた。富士山ランにも中学時代に1度、挑戦。富士吉田口から登り「3時間半、下りは2時間」という驚異的なタイムで走りきった。自然の中で走力を養ってきたが、実は「都会を走るのが好き」。横浜の中心部を横目に走る2区は「楽しみ」でしかない。

 既に東京五輪での1万メートル出場を目標に掲げる。種目は違えどマラソンを目指す青学大のエース一色との対決も「楽しみ」。「どういう展開でも」と話すように、追うのも、先頭を走るのも自在に対応できる。レースで20キロ以上の経験がないが「できれば区間賞も狙いたい」と鮮烈デビューを夢見た。【高場泉穂】

 ◆関颯人(せき・はやと)1997年(平9)4月11日、長野県茅野市生まれ。茅野東部中から陸上を始め佐久長聖高3年は全国高校駅伝で1区区間賞。16年世界ユース選手権1万メートル9位。自己ベストは5000メートル13分41秒、1万メートル28分48秒63。178センチ、56キロ。家族は両親、弟、妹。特技は料理。