2008年北京五輪陸上男子400メートルリレーで、ジャマイカが獲得した金メダルが剥奪され、日本が銅から銀メダルに繰り上がる可能性が高まったことを受け、同五輪でアンカーを務めた朝原宣治氏は26日、「私たちの記憶の中では当時の感動や評価、順位が事実。1つ上がっていいじゃないかというものでもない」と複雑な心境を口にした。

 陸上界ではドーピング違反が後を絶たず、04年アテネ五輪の男子ハンマー投げでは室伏広治氏が銀から金メダルに繰り上がったことがある。日本は12年ロンドン五輪の同400メートルリレーでも、2位に入った米国メンバーの違反で、15年になって5位から4位に変更された。朝原氏は「歴史が変わってしまう」と現状に危機感を口にした上で「20年東京五輪では(違反者が)一人も出ないクリーンな大会にしてもらいたい」と期待した。