リオ五輪男子400メートルリレー銀メダルの桐生祥秀(21=東洋大)が、日本人で初となる3大会連続10秒0台をマークした。決勝で向かい風0・3メートルの中、10秒04。またも風に泣いて、9秒台こそならなかったが、安定感を示した。向かい風条件の日本歴代最高記録も更新。次戦のダイヤモンドリーグ上海大会(5月13日、中国・上海体育場)で10秒の壁に再挑戦する。

 決勝4時間前の予選。桐生は、9秒台だけが狙いだった。1着だったが、記録は10秒16(向かい風0・3メートル)。自信があったからこそ力んだ。腕の振りが必要以上に大きくなり、トップスピードに乗れなかった。休憩時間。土江コーチに言われた。「条件さえよければ記録は付いてくる。記録を狙うのではなく勝負をしっかりやろう」。とにかく1番でゴール。初心に戻り、決勝は無駄な力が抜けた。予選と同じ向かい風0・3メートルで10秒04。向かい風条件時の日本最高記録だった。

 桐生 アベレージは上がっていますけど、ベストを出せなかった。急いでいるわけではないですけど、出せる時に(9秒台を)出しておきたかった。