相次ぐドーピング違反の発覚で陸上の世界記録の信頼性が揺らいでいることを受け、国際陸連が透明性を高める記録公認の新基準を検討することが1日、分かった。

 欧州陸連が4月30日まで開いた理事会で国際陸連への提言を承認し、同席した国際陸連のコー会長が「正しい方向への一歩。きちんと計画して構築できれば信頼を取り戻す絶好機になる」と採用に前向きな姿勢を示した。

 欧州陸連がまとめた提言では、大会前の1年間に一定数以上のドーピング検査を受けていることや、記録達成時に採取した検体を再検査できるように10年間保存することを条件とした。新記録は運営や計測で一定の水準を確保できる大会で樹立したものに限って認め、記録を達成した大会以外で違反が見つかった場合も抹消を可能とする条項も盛り込まれた。

 欧州陸連によると、国際陸連は8月の理事会で協議する。

 元女子マラソンのポーラ・ラドクリフさん(英国)は2003年に樹立した自身の世界記録が白紙となる可能性を懸念し、自身のツイッターで「私の名声や尊厳を傷つける」と反対した。