陸上の世界選手権(8月・ロンドン)男子マラソン代表の川内優輝(30=埼玉県庁)が31日、成田空港からスウェーデンへ向けて出発した。

 ストックホルムマラソン(6月3日)に出場する川内は「今回は優勝を狙いたい」と抱負を語った。ロンドンの本番を見据えて、順位にこだわるレースをする。同大会には15年世界選手権5位のシュミ・デチャサ(バーレーン)も参戦予定。過去2度の対戦でも敗れている強敵。ただ、5月下旬には気温30度を超える猛暑の中、100キロ走を敢行して自信を深めてきた川内は「世界選手権の5位に負けるようだと(ロンドンは)厳しいと思う。強い相手ですけど勝ちたい」と話した。

 ストックホルムは日本マラソン界にとって特別な地。「マラソンの父」と呼ばれる金栗四三さんら日本人で初めて出場した五輪が1912年のストックホルム大会だった。あれから105年。最強の公務員ランナーもオリンピックスタジアムを観光予定。初めて日の丸を付けて五輪を戦った先人たちに思いをはせる。「力をもらって、世界で戦いたい」。日本代表の重みを再確認し、ロンドンへのイメージを高めていく。