女子400メートル(切断などT47)で辻沙絵(22=日体大)が1分0秒67でリオデジャネイロ・パラリンピックに続く銅メダルを獲得した。前日の第9日は女子砲丸投げ(脳性まひF36)の藤田真理子(53=フィットネス21)が6メートル37で銅メダルを獲得。男子800メートル(知的障害)の上村勇貴(22=日本知的障がい者陸連)は4位、山内祐介(28=SRC)は8位。男子1500メートル(脳性まひT37)の井草貴文(27=AC・KITA)は6位。女子100メートル(脳性まひT38)に出場した400メートル銀メダリストの高松佑圭(24=堺ファインズ)は8位だった。

 辻はスタートから果敢に飛ばした。他の選手が視界に入らない外側の8レーン。「独走は怖いけど、恐れずにスピードを上げていく」。リオ大会の金、銀メダリストが抜け出した後は、「メダル、メダル」と頭の中で繰り返した。「自分の人生、全てが懸かっていると思って走った」。ゴール後は日の丸をまとって笑顔を見せた。

 リオから帰国後はメディアの取材が殺到し思うように練習ができなくなった。「パラスポーツを広め、応援してくれる人が増えてくる」と今は前向きにとらえているが、今季の調子はいまひとつ。この日のタイムも自身の日本記録59秒72に1秒近くも及ばない。表彰台の3人はリオと同じ顔ぶれで、上の2人とはまだ差がある。「いい色のメダルは取りたいし、君が代を流したい。その過程は苦しいが、もがきたいと思う」。3年後の金メダルへ、辻は決意を新たにしていた。