男子100メートルの桐生祥秀(21=東洋大4年)が日本人初の9秒台を記録した。

 決勝で追い風1・8メートルの中、9秒98をマークし1着。伊東浩司が98年に記録した10秒00の日本記録を19年ぶりに更新した。

 レース直後、桐生は「やっと4年間くすぶっていたベストを更新することができた。9秒台を出せて、(世界の)スタートラインに立てたかな」と喜んだ。

 最初の速報タイムが9秒99と出ただけに「10秒00にならないように祈ってました。でも速くフィニッシュできててよかった」と笑った。

 桐生は洛南高3だった13年4月、織田記念陸上の予選で自己記録を0秒18も更新する10秒01をマークし、一躍、日本陸上界の救世主として登場。ただし今季は6月の日本選手権決勝では10秒26の4位と敗れ、8月の世界選手権の100メートル代表を逃すなど苦しい時期を過ごしていた。それだけに9秒台という大記録に、桐生は快哉を叫んだ。