初マラソンのトラック女王・鈴木亜由子(26=日本郵政グループ)が2時間28分32秒で見事にマラソン初優勝。東京オリンピック(五輪)代表選考会のグランドチャンピオンシップ(MGC)出場権も獲得した。

12キロで谷本観月(天満屋)がペースメーカーを抜き早々とトップに立つ展開となったが、「焦る気持ちはあったが、マラソンは後半からと冷静に走った」と集団内で力をため、27キロ過ぎに前田彩里(ダイハツ)をとらえて単独2位浮上。「体も動いていたのでいこうと思った」と、32キロ過ぎに先頭の谷本をかわすと一気に差を広げ、そのまま独走でゴール。「初マラソンで緊張したが、声援を受けて走りきることができた」と笑顔を見せた。MGC出場も決め、「自分の可能性が広がった。1歩1歩前進していきたい」と新たな夢へ走り出した。

鈴木は16年リオデジャネイロ五輪はトラック競技の5000、1万メートルで出場したが、「東京五輪を見据えて世界と戦いたい」との思いを胸にマラソンに挑み、今月の中旬まで米国で高地トレーニングをこなすなど順調に調整を重ねてきていた。

MGC出場権獲得は前田穂南(天満屋)松田瑞生(ダイハツ)安藤友香(スズキ浜松AC)関根花観(日本郵政グループ)岩出玲亜(ドーム)野上恵子(十八銀行)に続き7人目。