陸上の男子50キロ競歩が20年東京オリンピック(五輪)を最後に、五輪と世界選手権の種目から消滅する方向であることが3日、複数の関係者の話で分かった。国際陸連が調整を進めているという。同種目は谷井孝行(35)が15年世界選手権で銅、荒井広宙(30)が16年リオ五輪銅、17年世界選手権銀、2日に閉幕したジャカルタ・アジア大会でも勝木隼人(27=いずれも自衛隊)が金メダルを獲得。日本の得意種目だが、2年後が最後となりそうだ。

かねて続出するドーピング違反や若者の関心の低さが問題視されていた。国際オリンピック委員会(IOC)は男女の種目数の同数化を推進している。その流れを各競技の国際連盟もくむ。女子50キロ競歩は19年世界選手権こそ初めて単独種目で開催されるが、五輪では実施されない。IOCの男女平等の理念にそぐわないため東京五輪でも除外候補に挙がっていた。

21年世界選手権(米国)からは代替種目として競歩の混合リレーが第1候補という。男女それぞれ2人の計4人で、距離は1人10キロの40キロリレーが有力。IOCも混合種目を増やす方針を掲げており、東京五輪では柔道混合団体、卓球混合ダブルスなどが新種目となった。その波が競歩にも及んだ形だ。また混合にすると男女で力の差があるため、順位変動が激しく、スリリングな展開はテレビ放送に向くとの見方もある。

20年以降はスタミナよりも、スピードある選手や女子選手の育成することがメダル獲得の道となる。強化の方針も大きくかじを取ることが求められる。

◆16年リオ五輪から20年東京五輪へ消滅した主な種目

重量挙げ男子は、階級変更で種目数が8から7に減った。最軽量級は56キロから61キロに。ボクシング男子は10階級から、実施種目は未定だが8階級と変わる。重量挙げ、ボクシングともに男女の種目数は同じとなった。