東京マラソン財団は23日、都内で会見し、同レース(3月3日)のエントリー選手を発表した。2時間5分50秒の日本記録を持つ大迫傑(27=ナイキ)らが名を連ねた。海外からは2時間6分の自己記録(PB)を切る選手8人が参戦。先頭集団のペースメーカー(PM)は2時間4分30秒~同5分10秒のタイムを狙えるペースで先導する予定。大迫にとっては、また日本記録を更新できる環境が整いそうだ。

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大迫が屈指の高速コースに参戦する。前半は下り、中盤も平たんな道が続く東京は昨年、設楽悠が2時間6分11秒の前日本記録を樹立。その記録を昨年10月のシカゴで破った大迫には再び、日本記録を突破する期待が膨らむ。シカゴ以来のマラソンとなる大迫はツイッターで「そうだ 東京にいこう」とつぶやいた。

記録を狙う上で重要な先頭集団をけん引するPMは30キロまで1キロあたり2分57~58秒に設定される予定。これは2時間4分30秒~同5分10秒を狙えるペースだ。海外勢は世界歴代3位の2時間3分3秒を持つケネニサ・ベケレらPB2時間6分切りが8人。そのハイペースについて行けば記録は自然とついてくる。早野レースディレクターは世界記録保持者キプチョゲ(ケニア)を呼べなかったことを悔やみながら「日本記録の更新につながるのではないか」と話した。

現状、2時間5分30秒を切れば、20年東京五輪代表2人を決める「マラソン・グランドチャンピオンシップ」(9月)で3位でも内定を得る。大舞台へ大きなメリットだ。大迫が日本記録を更新したのは今季のため規定により、再びの快挙を成し遂げても日本実業団連合からの1億円は手に入らない。ただ東京マラソンの優勝賞金1100万円、日本記録賞金500万円は獲得できる。【上田悠太】