公務員ランナーの川内優輝(31)が24日、静岡市内で開催された第6回静岡マラソン(42・195キロ)に初出場し、優勝を飾った。記録は2時間13分41秒。大学時代から知る同学年の伊藤太賀(32=スズキ浜松AC)とのデッドヒートを制し、胸を張った。「伊藤選手と争って勝負に徹した結果、勝てて良かったです」。

言葉通り、12キロ過ぎから川内と伊藤のマッチレースになった。海沿いで逆風が強くなった30キロ時点から伊藤のペースダウンを感じていたというが、あえて2番手をキープした。「ここで自分が前に出ると負けてしまうと判断しました」。そして、35キロ地点からスパートを繰り返した。そのたびに伊藤に追いつかれるも、38キロ過ぎに一気の突き放しに成功。最終的には、44秒差をつけてフィニッシュした。

大会記録(17年の2時間11分40秒)更新はならずも、目標にしていた優勝を達成。ゴール後は肩で息をしながら、「きついレースでしたが、沿道のみなさんの声が力になれました。残り1キロで『大きく引き離しているぞ』の声がかかり、勝てると感じました」と感謝した。初出場の今大会については「給水所で紙コップの捨てる場所もちゃんと書いてあったりと、すごく整備されていました。ランナーとしてありがたい気持ちになりました」とコメント。今後に向けては「大きな目標は2021年世界陸上でのメダル獲得ですが、今回のような競り合いを世界中でしていきたいです」と話した。

川内は、3月10日開催のびわ湖毎日マラソンにも出場予定。同月末には埼玉県庁を退職し、4月からプロランナーに転向する。