男子マラソンの川内優輝（33＝あいおいニッセイ同和損保）が“世界新記録”を更新した。

防府読売マラソンに出場し、2時間10分26秒（速報値）の2位。これで通算100回目となる2時間20分切りを達成した。

すでに川内は「2時間20分以内における最多完走数」78回がギネス世界記録と認定されており、18年3月に公式認定証の贈呈を受けた。今回の走りで、節目の100回目となった。再びギネス記録への申請をする意向だ。公認されるのは確実とみられ、自身のギネス世界新記録を更新することになる。

大会前には「これを達成することで、川内も挑戦を続けているのだなと、いま閉塞（へいそく）感が漂うこのコロナの世界で、マラソンを通じて、明るい話題を発信できれば」と思いを語っていた。

09年別府大分毎日が初のフルマラソンだった川内は、今回が107回目の42・195キロ。出場回数だけでもすごいが、うち100回がサブ20（2時間20分以内）というのは、人類史上初とみられている。

18年1月の「マーシュフィールドロードランナーズニューイヤーズデイ」では気温マイナス17度という超過酷条件下、2時間18分56秒で走ったこともある。ボストン優勝など数々の伝説があるが、また新たな勲章が加わる。

ちなみに川内が、2時間20分を切れなかったのは7回。12年かすみがうら（2時間22分38秒）、15年いぶすき菜の花（2時間24分10秒）、18年ストックホルム（2時間22分57秒）、18年日本最北端わっかない平和（2時間24分55秒）、18年ベニス（2時間27分43秒）、19年日本最北端わっかない平和（2時間20分28秒）、20年いぶすき菜の花（2時間22分26秒）となる。

◆サブ20　2時間20分以内でフルマラソンを走りきること。サブは英語で「以内」を意味する。マラソンでは4時間を切ることを「サブ4」、3時間以内を「サブ3」、2時間10分を切ることを「サブ10」との言葉を使う。

◆川内のサブ20全成績

2009年

（1）2月1日　別府大分毎日　20位　2時間19分26秒

（2）3月22日　東京　13位　2時間18分18秒

（3）12月6日　福岡国際　13位　2時間17分33秒

2010年

（4）2月28日　東京　4位　2時間12分36秒

（5）12月5日　福岡国際　10位　2時間17分54秒

2011年

（6）2月27日　東京　3位　2時間8分37秒

（7）9月4日　世界選手権大邱大会　18位　2時間16分11秒

（8）10月30日　大阪　4位　2時間14分31秒

（9）12月4日　福岡国際　3位　2時9分57秒

（10）12月18日　防府読売　2位　2時間12分31秒

2012年

（11）2月26日　東京　14位　2時間12分51秒

（12）4月29日　デュッセルドルフ　8位　2時間12分58秒

（13）7月1日ゴールドコースト　4位　2時間13分26秒

（14）8月26日　北海道　優勝　2時間18分38秒

（15）9月16日　シドニー　優勝　2時間11分52秒

（16）10月21日　ちばアクアライン　優勝　2時間17分48秒

（17）12月2日　福岡国際　6位　2時間10分29秒

（18）12月16日　防府読売　優勝　2時間10分46秒

2013年

（19）1月18日　エジプト国際　優勝　2時間12分24秒

（20）2月3日　別府大分毎日　優勝　2時間8分15秒

（21）3月17日　ソウル国際　4位　2時間8分14秒

（22）4月21　長野　優勝　2時間14分27秒

（23）6月2日　千歳JAL国際　優勝　2時間18分29秒

（24）7月7日　ゴールドコースト　優勝　2時間10分1秒

（25）8月13日　世界選手権モスクワ大会　18位　2時間15分35秒

（26）10月13日　メルボルン　2位　2時間11分40秒

（27）11月3日　ニューヨークシティ　11位　2時間12分29秒

（28）12月1日　福岡国際　3位　2時間9分5秒

（29）12月15日　防府読売　2位　2時間9分15秒

2014年

（30）2月16日　熊本城　優勝　2時間10分14秒

（31）3月2日　びわ湖毎日　4位　2時間10分38秒

（32）4月6日　さが桜　優勝　2時間13分2秒

（33）4月20日　とくしま　優勝　2時間15分25秒

（34）5月4日　ハンブルク　9位　2時間9分36秒

（35）6月1日　千歳JAL国際　優勝　2時間15分57秒

（36）7月6日　ゴールドコースト　3位　2時間11分27秒

（37）8月31日　シティトゥサーフパース　優勝　2時間12分55秒

（38）10月3日　仁川アジア大会　3位　2時間12分42秒

（39）11月3日　ニューヨークシティ　11位　2時間12分29秒

（40）11月23日　福知山　優勝　2時間12分59秒

（41）12月7日　NAHA　優勝　2時間13分43秒

（42）12月21日　防府読売　優勝　2時間9分46秒

2015年

（43）2月8日　延岡西日本　8位　2時間15分16秒

（44）2月15日　高知龍馬　優勝　2時間15分6秒

（45）3月15日　ソウル国際　16位　2時間13分33秒

（46）4月19日　チューリヒ　2位　2時間12分13秒

（47）5月24日　黒部名水　優勝　2月17分57秒

（48）7月5日　ゴールドコースト　8位　2時間16分23秒

（49）8月30日　シティトゥサーフパース　優勝　2時間16分23秒

（50）9月20日　ケープタウン　9位　2時間16分33秒

（51）10月11日　いわて北上　優勝　2時間13分21秒

（52）11月1日　ニューヨークシティ　6位　2時間13分29秒

（53）12月6日　福岡国際　8位　2時間12分48秒

（54）12月20日　防府読売　2位　2時間12分24秒

2016年

（55）1月10日　いぶすき菜の花　優勝　2時間15分14秒

（56）3月6日　びわ湖毎日　7位　2時間11分53秒

（57）3月20日　萬金石　2位　2時間14分12秒

（58）4月24日　チューリヒ　優勝　2時間12分4秒

（59）7月3日　ゴールドコースト　2位　2時間9分1秒

（60）9月27日　ベルリン　13位　2時間11分3秒

（61）11月6日　ポルト　2位　2時間14分32秒

（62）12月4日　福岡国際　3位　2時間9分11秒

（63）12月18日　防府読売　3位　2時間12分45秒

2017年

（64）2月12日　愛媛　優勝　2時間9分54秒

（65）4月2日　大邱国際　6位　2時間13分4秒

（66）5月7日　プラハ　6位　2時間10分13秒

（67）6月3日　ストックホルム　6位　2時間14分4秒

（68）7月2日　ゴールドコースト　3位　2時間9分18秒

（69）8月6日　世界選手権ロンドン大会　9位　2時間12分19秒

（70）　9月16日　オスロ　優勝　2時間15分58秒

（71）10月1日　別海町パイロット　優勝　2時間13分43秒

（72）11月5日　ニースカンヌ　6位　2時間15分2秒

（73）11月12日　さいたま国際　優勝　2時間15分54秒

（74）12月3日　福岡国際　7位　2時間10分53秒

（75）12月17日　防府読売　優勝　2時間10分3秒

2018年

（76）1月1日　マーシュフィールドロードランナーズニューイヤーズデイ　優勝　2時間18分59秒

（77）2月11日　北九州　優勝　2時間11分46秒

（78）3月18日　萬金石　優勝　2時間14分12秒

（79）4月16日　ボストン　優勝　2時間15分58秒

（80）7月1日　ゴールドコースト　9位　2時間14分51秒

（81）8月26日　ニューカレドニア国際　優勝　2時間18分18秒

（82）10月7日　シカゴ　13位　2時間16分26秒

（83）12月2日　福岡国際　10位　2時間12分3秒

（84）12月16日　防府読売　優勝　2時間11分29秒

2019年

（85）1月13日　いぶすき菜の花　優勝　2時間14分21秒

（86）2月24日　静岡　優勝　2時間13分41秒

（87）3月10日　びわ湖毎日　8位　2月9分21秒

（88）4月15日　ボストン　17位　2時間15分29秒

（89）5月5日　バンクーバー　優勝　2月15分1秒

（90）7月7日　ゴールドコースト　13位　2時間15分32秒

（91）8月25日　ニューカレドニア国際　優勝　2時間17分24秒

（92）10月5日　世界選手権ドーハ大会　29位　2時間17分59秒

（93）12月1日　福岡国際　12位　2時間12分50秒

（94）12月15日　防府読売　7位　2時間14分17秒

2020年

（95）1月26日　マケラッシュ　23位　2時間17分26秒

（96）3月8日　びわ湖毎日　25位　2時間14分33秒

（97）11月3日　山口トライアル　優勝　2時間18分59秒

（98）11月7日　いわて・遠野トライアルマラソン　優勝　2時間19分24秒

（99）12月6日　福岡国際マラソン　19位　2時間13分59秒

（100）12月20日　防府読売　2位　2時間10分26秒