4度目の出場となった創価大が、初めての往路優勝を果たした。5時間28分9秒、史上19校目の往路優勝校となった。

東洋大が2分14秒差の2位、駒大が2分21秒差の3位に入った。連覇を狙う青学大はトップ創価大から7分36秒差の12位。トップから10分以上の差となった山梨学院大、中大、専大、関東学生連合は3日の復路は一斉スタートとなった。

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コロナ禍の箱根は、異例の情景から始まった。午前8時、スタート地点の大手町に沿道の観客はなし。ランナー21人は静寂の中で走りだした。最初の1キロはジョギング同様の3分33秒。超スローペースでテレビ解説の瀬古利彦氏は「見たことがない」。人けのない都心のビル街も相まって、異様な空気を醸し出した。

「密」を避けることが徹底された。主催者は「応援したいから、応援にいかない」というキャッチコピーで沿道での応援自粛を呼び掛けた。目立ちやすい黄色と黒の服を着たスタッフが「立ち入り禁止」「沿道での観戦はご遠慮ください」のカードを掲げた。またテレビ中継でも再三、応援自粛のテロップを流した。2区を走った東海大エース名取燎太(4年)は「走っていて、例年に比べて数が少なかった。でもテレビで応援してくれる人もたくさんいると考えて走った」。

一方で有名観戦スポットは多くの人出もあった。1区の六郷橋は東京都から神奈川県にまたぐ勝負どころ。区間賞をかけたスパート合戦を見るために、橋の上に人が集まった。また箱根の往路ゴール地点でも沿道で声援を送る人があった。

今大会の当日メンバー変更は体調不良者を代えやすくするため4人から6人に増えた。表彰式、円陣も禁止されて、何よりもゴール地点の大手町で、歓喜の胴上げも認められていない。そんなコロナ禍だが、総合優勝をかけて選手たちは死力を尽くす。【益田一弘】

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今大会の主な感染症対策

◆開閉会式、表彰式、円陣、胴上げの禁止

◆当日のメンバー変更は4人から6人に増加

◆中継所で次の走者への声掛け禁止

◆給水係はマスク、ゴーグル、手袋を着用。

◆沿道での応援自粛を要請。「応援したいから、応援にいかない」のキャッチコピーを作製。

◆取材記者は原則1社2人まで。選手、監督への取材は電話による合同取材。