1億円はもらえず…。「最後のびわ湖」を鈴木健吾(25=富士通)が2時間4分56秒の日本新記録で制した。大迫傑(ナイキ)が20年東京マラソンでマークした日本記録の2時間5分29秒を更新。日本人初の2時間4分台となったが、報奨金制度は終了しているため、1億円はもらえない。

日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(64)は「日本記録で本当なら1億円あげたいんですけど…。『残念だな』『悔しいな』っていう思いはありますけれど…」と複雑な思いを口にした。

日本実業団陸上競技連合は15年7月から男女マラソンに日本新=1億円などの報奨金を設定した。当時、男子は02年の高岡寿成の日本記録が10年以上破られないなど低迷していた。その後、18年の東京マラソンで設楽悠太、同年シカゴマラソンで大迫傑、20年東京マラソンでは大迫が再び日本記録をマーク。厚底シューズの開発などもあったが、高額賞金による効果は確実にあった。

ただし、同連合の資金不足もあり、報奨金制度は20年3月で終了。くしくも男子は昨年のびわ湖毎日マラソンが最後の対象大会だった。