ついに日本マラソン界は2時間5分の壁も突き破った。鈴木健吾(25=富士通)が2時間4分56秒の日本新記録で初優勝。昨年3月の東京で、東京オリンピック(五輪)代表の大迫傑(29=ナイキ)がマークした従来の記録を33秒も更新し、自己ベストも5分以上塗り替えた。世界陸連の公式サイトによると、世界に58人しかいなかった2時間4分台のランナーに仲間入り。この58人はアフリカ勢とアフリカにルーツを持つ選手で、鈴木のタイムは世界でも価値を持つ。1億円の報奨金もなく、東京五輪にも出られない。だが、大阪マラソンと統合され、最後のびわ湖開催となった大会で、歴史的な記録が刻まれた。

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◆100メートル9秒台より希少 世界陸連の公式サイトによると鈴木の2時間4分台は、世界歴代57位タイで、58人しかいなかった。種目も競技人口も違い、単純比較はできないが、男子100メートルを9秒台で走った選手は、同サイトによると145人いる。鈴木の2時間4分台がいかに、驚異的な記録かが分かる。

◆アフリカ勢とアフリカにルーツ これまで2時間5分を切った選手は58人いた。うち55人を強豪エチオピア(33人)、ケニア(22人)勢が占める。トルコのオズビレンはケニア、バーレーンのエルアバシはモロッコ、ベルギーのアブディはソマリアにルーツを持つ。

◆世界1位との差は 16年リオデジャネイロ五輪金メダルのキプチョゲは、18年ベルリンマラソンで2時間1分39秒の世界記録を樹立。鈴木との差は3分17秒。距離にして1キロ以上の差がある。

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