国際陸連が11月から男女同時スタートのロードレースでは女子の世界記録を認めず「世界最高」として扱うとした規則変更に対し、世界の主要レースの主催者が構成するワールド・マラソン・メジャーズ(WMM)と国際マラソン・ロードレース協会(AIMS)が反対を表明している。

 国際陸連は8月の総会で、男女混合レースで男子が女子の先導役となって記録を更新するのは不公平と判断した。現在の2時間15分25秒の世界記録は、2003年にロンドンでポーラ・ラドクリフ(37=英国)が男性ペースメーカーが付いたレースで記録したもの。来年1月発表のリストからは、05年の同大会でラドクリフが男性ペースメーカーなしで記録した2時間17分42秒が新たな世界記録になる見通しだ。

 WMMとAIMSは声明で「最速タイムが記録と認められないのは混乱と不公平感を招き、マラソンの歴史を軽視するものだ」と主張し、国際陸連と協議する方針だ。

 男女同時スタートを採用する東京マラソンの関係者は、男女時差スタートなどの対策について「女子選手を先に出すといっても、例えば5分差は駄目で15分差ならOKなのかという基準が曖昧」と戸惑いを隠せない。日本陸連が規則変更に従えば、ベルリンで記録された野口みずき(33=シスメックス)ら3選手の2時間19分台の記録は「日本最高」となり、新たな日本記録は野口が03年に大阪国際で出した2時間21分18秒となる。