日本スポーツ仲裁機構は20日、昨年12月のホノルル・マラソンでドーピング違反が見つかった吉田香織の資格停止期間を、1年から2年にするよう求めた日本アンチ・ドーピング機構(JADA)の申し立てを認めたと発表した。ドーピング違反の仲裁で、選手への処分が重くなったケースは初めてという。

 吉田は4位に入った同マラソンの検査で持久力を高めるエリスロポエチン(EPO)が検出された。貧血治療のため約1カ月前に医師に投与された薬に含まれていたと主張し、JADAの委嘱を受けて処分を決めた日本ドーピング防止規律パネルは通常より軽い1年の資格停止とした。これに対しJADAは本人が十分な注意を払わなかったとして2年を求めた。

 JADAの担当者は「規律パネルはJADAと完全に独立している。今回のように(JADAが処分に)不服を申し立てるケースもある」と説明した。