【広州(中国)=28日】アジア大会の陸上女子100、200メートルで日本人女子初の2冠を達成した福島千里(22=北海道ハイテクAC)が、来季も欧州遠征で武者修行する。旗手を務めた27日の閉会式から一夜明け、帰国した。来年8月の世界選手権(韓国・大邱)、そして12年ロンドン五輪に向けて重要なシーズンとなる来季に向け「今年の欧州遠征は(成長する上で)大きかった。来年もチャンスがあれば行きたい」と参戦へ意欲を見せた。

 今年は8、9月の計2回にわたり欧州で4大会に出場。自身の日本記録11秒21は更新できなかったが、11秒3台を2度マークした。「独特の雰囲気だと思わないようになれば」。国内戦が主戦場だったため、国際試合で場慣れして記録が安定すれば五輪、世界選手権での戦いに生きてくる。

 中村宏之監督は「来年は100メートルで11秒1台を出して、1つ1つクリアしていきたい」。福島も「自己ベストを出したい。オフの練習?

 今は終わったばかりなので、少しは休ませてくださいよ~」と苦笑いで訴えたが、帰国後もテレビへの出演巡りなど、アジア最速女王にとっては多忙な日々が続く。【広重竜太郎】