カンボジア国籍でのロンドン五輪出場を目指しているタレントの猫ひろし(本名・滝崎邦明=34)が4日、今日5日の別府大分毎日マラソンでの五輪切符奪取を目指す。自己記録を大幅更新の2時間30分が目安になるが、猫には秘策があった。女子マラソンの実力者、吉田香織(30=アミノバイタルAC)の並走だ。吉田にペース配分の手助けを受けながら、カンボジアで積んだ練習をベースに五輪へと前進する。

 猫の目に自信があふれていた。環境に慣れるため、2日に大分市内入り。2日連続で10キロ走をこなし、練習のかたわら3日にコースを下見した。「やることは全部やった」。この日、正午からの練習を前に「自己記録を更新し、新記録を大分に置いていきたいです。(ロンドン五輪は)力を発揮できれば行けます」と決意を語った。

 昨年の東南アジア大会男子マラソンで、2時間37分39秒の自己ベストを出した。だが、北京五輪カンボジア代表へム・ブンティンの昨季最高タイム2時間31分58秒に及ばず、五輪出場を保留された。つまり、同国代表になるには、少なくとも同30分前後の記録が必要になってくる。

 猫は、そのための秘策を準備した。昨年の北海道4位、横浜国際女子7位など多くのマラソンで実績を持つ吉田が、一般参加で猫と並走することになった。同じ練習チーム、アミノバイタルAC所属で練習することも多く気心が知れた仲。吉田も2時間30分台前半~中盤の記録が多いことから、サポートを依頼したという。この日も2人は、大分市内で約1時間の軽めの調整を行った。猫が147センチで吉田が155センチ。小柄なコンビでコースを疾走する。

 自信の表れはそれだけではない。「日本でも1、2番目くらいに有名なレースだから」と出場を決めた今大会に向けて、1月中旬までの3カ月半、カンボジアで猛練習を行ってきた。寝て、起きて、走って、食事して、寝て…。この繰り返しで月約1000キロ、3カ月で約3000キロを走り込んだ。谷川真理ら名マラソン選手を育てた中島進コーチの指導も役立っている。

 主催者を通じたコメントでは「沿道の声援1つ1つに全部応えていっても、2時間半くらいでゴールできると思う。それをしなければ、2時間3分で行けるんだけど」と、ジョークも飛び出した。今大会後には「大分名物の関サバを食べたい。猫なんで」。笑顔で大好物!?

 にありつくためにも、自己ベストを更新し、五輪切符をつかみ取る。【菊川光一】

 ◆吉田香織(よしだ・かおり)1981年(昭56)8月4日、埼玉県生まれ。川越女子高卒業後、五輪マラソン金メダリストの高橋尚子らを育てた小出義雄氏に見いだされ、同氏が所属していた積水化学に入社。06年北海道マラソン優勝。当時、Qちゃん(高橋尚子)2世と呼ばれた。08年ホノルルマラソン2位。マラソンベスト記録は2時間30分58秒。