11年にカンボジア国籍を取得してロンドン五輪出場を目指していた、お笑いタレント猫ひろし(本名・滝崎邦明=34)が男子マラソンの同国代表に決まったことが25日、分かった。

 猫ひろしのカンボジア代表決定について、往年の名ランナーで日本陸連理事の瀬古利彦氏(55)は「本当におめでたいこと。五輪は参加することに意義がある。選ばれた以上、カンボジア国民の夢を背負って頑張ってほしい」とエールを送った。日本陸連強化委員会の木内敏夫統括ディレクターは「最近の成長を見ると、ただの市民ランナーの走りではない」と評価した。

 国籍を変更しての五輪出場に批判的な意見もある。マラソンを通じてカンボジアとの国際交流に尽力する五輪メダリストの有森裕子さん(45)は「心情的にはこれが本当にいいことなのか複雑だ」とコメントした。カンボジア国内ではあまり話題になっておらず、今のところ強い批判は起きていない。同国陸連のペン・ブティ専務理事は「猫さんは経済大国から来てくれた。猫さんのような日本人がカンボジアのために身をささげ、努力してくれることは、カンボジアにとって誇りだ」と歓迎した。