<陸上:ダイヤモンドリーグ第3戦ゴールデンガラ>◇5月31日◇ローマ

 男子100メートルは世界記録保持者のウサイン・ボルト(ジャマイカ)が今季世界最高の9秒76で優勝した。25日のレースは10秒04と低調な記録だったが、この日は鋭い走りで圧勝。2位はアサファ・パウエル(ジャマイカ)で9秒91、3位は10秒04のクリストフ・ルメートル(フランス)。女子100メートルはムリエレ・アウール(コートジボワール)が11秒00で優勝。男子3000メートル障害はポール・コエチ(ケニア)が世界記録に0秒68と迫る7分54秒31で制した。

 ボルトが周囲の不安を一蹴する力強い走りで、今季世界最高をたたき出した。25日のチェコでのレースでは勝ったとはいえ、スタートに失敗し、10秒を切れない低調な内容。五輪へ懸念の声が広がったが、「俺は自分の能力を疑わなかった」。スタートでまずまずの出足を見せると、中盤からの加速でパウエル、ルメートルを一気に引き離した。「完璧なレースではなかったが、前回よりは良くなった。スタート後の切り替えがうまくいった」と満足そうに話した。9秒76は自己4番目に並ぶ好記録。しかも向かい風0・1メートルというコンディションを考えれば、9秒6台への突入は時間の問題だ。五輪を前にボルトが「怪物」健在を世界に強く印象付けた。