<陸上:第89回箱根駅伝予選会>◇20日◇20キロ◇陸上自衛隊立川駐屯地~立川市街地~国営昭和記念公園

 エース村沢明伸(4年=長野・佐久長聖)を左アキレスけんの故障で欠いた東海大が、まさかの予選敗退となった。各校10選手の合計タイムで争うレースで屈辱的な12位に終わり、41年連続の本戦出場を逃した。トップは日体大で、前回予選落ちした日大が返り咲き。本大会は前回総合優勝した東洋大などシード10校に、今予選を勝ち抜いた9校と関東学連選抜を加えた20チームで、来年1月2、3日に争われる。

 箱根切符をかけた大一番に、村沢の姿はなかった。長引く左アキレスけん痛が完治せずに、無念の欠場。2枚看板のもう1人、早川が全体10位と孤軍奮闘はしたが、後が続かなかった。上位チームのアナウンスに、あちこちから「ワッショイ!

 ワッショイ!」と歓喜のかけ声が響く。だが、最後まで東海大の名前はなかった。村沢は真一文字に口を結んで、悔しさをこらえた。

 両角監督は「欠場を決断したのは昨日の夜。外した時点で(予選突破は)50%と思っていた」と話した。まさかの結末に、村沢は「いろんな思いで頭の中がぐちゃぐちゃ。簡単に表現できない」。前々回の2区で17人抜きの快走を披露し、世間の度肝を抜いた。1万メートル27分50秒59の記録を持つ学生最強ランナー。卒業後は名門・日清食品入りし、トラックとマラソンの両立で4年後のリオを目指す日本の宝だ。

 東海大は今季、出雲と箱根の出場を逃し、残るは来月4日の全日本大学駅伝(名古屋~伊勢)だけ。2週間後に迫るレースについても、両角監督は「走らせない」とエースの欠場を明言。学生最後の年に3大駅伝を走ることなく、村沢のシーズンが終わりそうだ。【佐藤隆志】