14日にチューリヒで行われた陸上の欧州選手権の男子3000メートル障害で、トップでゴールしたロンドン五輪銀メダルのマイディーヌ・メキシベナバ(29=フランス)が、上半身裸になったことにより、規則違反で金メダルを剥奪された。

 メキシベナバは3連覇がかかっていたレースの最終コーナー手前で後ろを振り返り、勝利を確信。ビブスのついたシャツを脱いで口にくわえた。上半身裸になって最後のハードルを越え、シャツを手に持ってゴール。しかし、その後、規定違反だとスペイン代表団が抗議。フランス代表団は反論したが、国際陸連(IAAF)の競技規則に反したとして失格になった。

 メキシベナバは「喜んで脱いでしまった。警告を受けることは知らなかった。今日は私の勝利を楽しむよ」とコメント。珍しい出来事に、米CNNテレビ(電子版)は「即興のストリップのために金を剥奪された」と報じた。1位には、1秒36遅い8分26秒66でゴールしたヨアン・コワル(フランス)が繰り上がった。

 ◆IAAFの競技規則

 第2部「競技会一般規則」の第143条には「服装、競技用靴、ナンバーカード(ビブス)」に関する規則がある。服装に関する1項には「競技者は清潔で、不快に思われないようにデザインされ仕立てられた服装を着用しなければならない。この規定は、表彰式および競技場内ビクトリーランの際にも適用する」とある。7項はビブスに関する規定で「競技者は、競技中、胸と背にはっきり見えるように2枚のナンバーカード(ビブス)をつけなければならない」と定められている。