<陸上:第55回東日本実業団対抗駅伝競走大会>◇3日◇埼玉県庁~熊谷スポーツ文化公園陸上競技場◇7区間=77・5キロ◇参加24チーム

 社会人でも「双子旋風」を巻き起こす!

 コニカミノルタが3時間49分34秒で、通算8度目の優勝を3連覇で飾った。東洋大の「ダブルエース」として今年の箱根駅伝を制した、2区のルーキー設楽啓太(22)が好走。双子の弟でホンダの設楽悠太(同)らの追随を許さず区間賞を獲得し、チームはそのまま逃げ切った。

 タスキを受けた時、兄弟の差は4秒。その後ろ姿を兄啓太は、ロケットスタートで弟悠太の視界から遠ざけた。前夜は電話で、互いに「区間賞はオレが取る」と話して臨んだ双子兄弟決戦。終わってみれば、その差は26秒に開き、区間賞の啓太は「意識しすぎると力むから自分の走りに徹しました」と胸を張る。一方の悠太は、中盤以降の強風もあり「思うように追い込めなかった。啓太に負けたのは悔しい」と唇をかんだ。

 陸上を始めて以来、常にチームメート。だが実業団入りは「行きたいところに行こう」と進路を分けた。ただし日本代表という最終目標は同じ。「弟は距離が長いほど適性がある。自分もマラソンに絞る」と6年後の東京五輪で兄弟出場に夢をはせる。学生界に君臨する謙太(駒大4年)と紘太(城西大4年)の双子の村山兄弟にも「負けたくない。『双子といったら設楽兄弟』と言われたい」(啓太)の対抗心がある。袂(たもと)を分けても志は1つ。パワーを増して設楽兄弟が夢に突き進む。