<第91回箱根駅伝>◇2日◇往路◇東京-箱根(5区間107・5キロ)

 痛む左ひざの靱帯(じんたい)をかばいながら城西大の村山紘太(4年)が、最後の箱根を走りきった。「集大成だと思いスタートした」。東洋大の服部勇に11秒およばなかったが、2区で区間2位。それでも「区間賞を取れずに悔しい。実力が足りなかった」と自らを責めた。

 2週間前、左ひざの腸脛(ちょうけい)靱帯を痛めた。20~30分走るだけで痛んだ。10日前からほとんど練習ができず。櫛部監督は「最悪、欠場も考えた」。しかし、12月31日の練習後「欠場はない」と出場を直訴した。

 最後の箱根を双子の兄で駒大の謙太と一緒に走りたかった。今季、主将になった責任もあった。主将就任当時は村山に反発し、やめる下級生も出た。それを食事管理を徹底したり、走りで引っ張ることでチームをまとめた。出場にはその意地もあった。「仲間のために走る意識が高くなった」。

 16位でタスキを受け取った。8人をごぼう抜きにして8位に浮上させた。「この展開は予想できた」。残りの3人がその位置をキープ。村山紘の最後の走りで、城西大過去最高の総合6位も見えてきた。【吉松忠弘】