<全国都道府県対抗男子駅伝>◇18日◇広島・平和記念公園前発着(7区間=48キロ)

 前回2位の埼玉が歴代3位の好記録となる2時間19分14秒で初優勝した。アンカーの7区服部翔大(23=ホンダ)がトップでたすきを受けて、2位宮城の追い上げを振り切った。13年の箱根駅伝で優勝に貢献した日体大の「山の神」が、社会人1年目で存在をアピール。16年リオはトラックで、20年東京はマラソンで五輪を狙う。

 服部はゴールで待ち受ける仲間の輪に飛び込んだ。「危ねえ。逃げ切ったぞ!

 気持ちいい」。たすきを受けた時、宮城の村山謙と35秒差。「追いつかれるとやっかい。つっこみ気味で行く」。最初から飛ばし、24秒差で逃げ切った。昨年は2位だっただけに「初優勝はうれしい」。

 2年前の箱根駅伝、山登りの5区で名を上げた。愛知の7区には今年の箱根駅伝で「山の神」になった青学大の神野がいた。「最近は山を走ると神になるらしいんで。まあ世代交代していくものですが」と、神野の実力を認めつつも“先代”としてのプライドもチラリ。「これからの日本を背負っていくランナーがいるこの駅伝で、チーム全体で勝てたのは良かった」。

 昨春、ホンダに入社。16年リオ五輪は1万メートルなどトラック種目で勝負。その後にマラソン転向を見据えている。「山の神」ではなく、中距離ランナーとして「リオもしっかり狙いたい」。最近は社会人生活にも慣れて、小学校時代から大好きなスノーボードに出掛ける余裕もできた。「オフはもっぱら山を下っている方ですよ」と笑っていた。【益田一弘】

 ◆服部翔大(はっとり・しょうた)1991年(平3)10月28日、埼玉県生まれ。鴻巣北中で陸上を始めて埼玉栄、日体大と進学。大学3年時の13年は箱根駅伝5区で区間賞を獲得して、30年ぶりの総合優勝に貢献。昨春ホンダに入社。164センチ、52キロ。