陸上の世界選手権が27日、韓国・大邱で開幕する。

 注目は男子やり投げの村上幸史(むらかみ・ゆきふみ、31=スズキ浜松AC)。前回ベルリン大会銅メダルの村上は8月に入って自己記録更新と好調で、前回を超える成績を目指す。

 村上は決意の85メートル超えで2大会連続のメダル獲得を狙う。自己ベストは今月14日の国体愛媛県予選で記録した83メートル53で、今季の世界ランキング20位に当たる。僅差に多くの選手がひしめき合う状況とはいえ、85メートル以上は8人。「メダルをつかむには85メートルが最低条件になる」と言葉に力がこもった。

 銅メダルを取った09年のベルリン大会後、「再現力」をテーマに3年計画で取り組んできた。いつ、どういう状況でも硬くならず、同じ動作を繰り返す。そして、すべての飛距離を80メートル台にそろえる中で、大きな一投につなげるのが狙いだ。今季は5大会に出場。3回しか投げられない世界選手権の予選をイメージし、前半3本のうちに82メートルを投げることに意識を置いた。5月のゴールデンGP川崎では初めて82メートル台を3本出すなど、「85メートルを投げられる自信はできた」と言う。

 アジア選手権後は北海道・室蘭合宿、母校の愛媛・今治明徳高で鍛錬し、世界選手権に備えた。4大会連続の4度目の大舞台に「まずは決勝(12人)、次は五輪(8位入賞)、その後は決めていない」。

 なでしこジャパンの世界一に刺激を受け「自分も期待に応えられるよう投げたい」。同じ日の丸を背負う者としてビッグスローを誓っていた。