<全国高校バスケット選抜優勝大会>◇29日◇男子決勝◇東京体育館

 男子決勝は洛南(京都)が73-71の逆転勝利で福岡一(福岡)を破り3年連続4度目の優勝を飾った。センター谷口大智(3年)が、相手センターの201センチのセネガル人イブラヒマを走力で上回るなど、運動量で競り勝った。高校バスケット界は留学生がチームの主軸を占める傾向にある中、日本人だけのチームで優勝。3連覇は能代工に続く史上2校目の快挙で、来季は同校に並ぶ4連覇の偉業に挑む。

 洛南が走力を生かした速攻で試合を決めた。69-69で迎えた第4クオーター(Q)残り1分。パスカットした蝦名がそのままシュート。食い下がる福岡一を引き離した。最後はエース比江島が決めて2点差で優勝。第2Q終了時点の35-45から、豊富な運動量で逆転した。

 最近は長身の外国人留学生をチームの中心選手として起用する強豪校が増えた。今大会準決勝に進出した4校中3校が外国人留学生がセンターを担う。福岡一にも201センチのイブラヒマがいた。そんな相手に洛南は日本人だけで対抗した。08年に東大合格者31人を輩出した進学校で「うちには推薦制度がありませんから」と吉田監督は話す。

 8月の総体準決勝で福岡一に敗れた。イブラヒマ中心の攻撃に完敗した。以来、体格と身体能力で勝る外国人にスピードと運動量で上回るために、走り込みを徹底した。毎日1時間以上、下半身をいじめ抜いた。センターの谷口は外側からの攻めも鍛え抜いた。「走り勝つことが目標だった」と話した。

 来年は能代工に並ぶ4連覇を目指す。吉田監督は「(日本人だけのチームということで)応援してくれる人もいる。期待に応えたい」と強く宣言した。【阿部健吾】