今回はラグビーについて、執筆したいと思う。


 2009年からずっとラグビーのファンだ。オーストラリアのシドニーに親族が住んでいることもあり、シドニーにあるメインスタジアムである、アリアンツスタジアムでラグビーを観戦するのが大好きだ。


 ファンは、最高に試合観戦を楽しんでいる。みんなが自分のサポートするチームの監督だ。

 そして、選手たちはとても気さくで、試合後もサインをしたり、写真を撮ってくれたりする。そのせいもあり、ファンの、ラグビー選手へのリスペクトをとても感じられる。


 試合の次の日には、海でリカバリーして普通に街のカフェに選手たちが家族と一緒にランチをしている。当然ファンも一緒に同じお店にいたりする。

 なんというか、文化が素晴らしい。


 日本では、ジャパントップリーグがある。社会人リーグだ。2003~2004年シーズンに発足した16チームのリーグ。日本の選手はほとんどが高校ラグビー、大学ラグビーを経てトップリーグに所属する選手になっていく。


 トップリーグは、15人制だ。日本で親しみ深いのが、15人制ラグビーだろう。ユニオンと呼ばれる。

 2016年からオリンピック種目になったセブンズと呼ばれる、7人制もある。トヨタ自動車の小澤大選手がセブンズに専念することを発表したのも記憶に新しい。2016年のリオオリンピックで日本男子は4位入賞した。注目すべき競技だ。先日も女子セブンズの国際大会が北九州で行われた。


 少し余談になるが、13人制というラグビーもある。よりフィットネスの強さが求められる競技だ。リーグと呼ばれ、オーストラリアではオーストラリアンフットボールに並ぶ人気を誇る。


 ラグビーは奥が深い。


 現在、スーパーラグビーが行われている。ユニオンラグビーの世界最高峰リーグだ。


 4月27日の第11節、ニュージーランドでハリケーンズ戦を控えている我らがサンウルブズ。スーパーラグビーに2016年度から参戦し、今季はまだ未勝利。14日の第9節では、昨年7月に48-21で勝利したブルースと対戦した。昨年の灼熱の太陽とは打って変わって涼しい陽気だった。結果は、10-24の敗戦だった。


 「このニュージーランド遠征は、最もタフな戦いになる」とジェイミー監督は話していた。クルセイダーズとハリケーンズとの対戦を控え、16日に日本を出発した。

 まずは、21日にクライストチャーチでクルセイダーズと対戦した。私の注目は、今季初スタメンとなった元パナソニックのSOマイク・デラニー選手だったが、試合前に話題となっていたのは、オールブラックスで95キャップのPRオーウェン・フランクス選手と、66キャップのWTBイズラエル・ダグ選手が復帰戦だったということではないか。このクルセーダーズ、昨季は50-3でサンウルブズに勝利している。

 結果は、クルセイダーズが33-11で勝利。今季6勝2敗とした。


 先ほども書いたが世界最高峰リーグのスーパーラグビー。プライドがどのチームもある。2015年ワールドカップ決勝でオーストラリアに勝利したニュージーランド。王者だ。ただでは勝てない。


 サンウルブズは今季苦しい戦いを続けているが、試合後の記者会見での発言は前向きなものが多い。ジェイミーは、「Unlucky」(不運だ)とよく口にする。戦う選手たちが1番よくわかっている。


 「諦めの悪い人たちが勝利し、成功する」

 先輩のトップアスリートからこの言葉を聞いたことがある。


 確かにそうだ。みんな勝ちたいと思っている。


 秩父宮で行われた14日のブルース戦を観戦していて感じたことがある。「バックスタンドにいって観戦しよう」。

「ファンは温かい」ということだ。

 サンウルブズと一緒に戦っているのだと。7月までまだまだ試合は続くが、選手もファンも同じ気持ちで戦っていく。

(伊藤華英=北京、ロンドン五輪競泳代表)