自転車の国内有力選手に提供したサプリメント商品に世界反ドーピング機関(WADA)が指定する筋肉増強作用のある禁止薬物が含まれていた問題で、日本自転車競技連盟の公式スポンサーの健康補助食品会社、梅丹(めいたん)本舗(大阪府摂津市)は6日、英国の会社の検査で「ボルジオン」の含有が確定したと発表した。

 含有量が推定で1グラム当たり10~20ナノグラム(ナノは10億分の1)の「古式梅肉エキス」、1~3ナノグラムの「トップコンディション」については、ドーピング検査を受ける可能性のある競技者への提供を中止する。販売は注意喚起の文言を記して継続するとした。古式梅肉エキスは禁止物質を含まないタイプを開発する。

 日本連盟は選手らに当該商品の使用中止を通知済みで「ナショナルチーム所属選手が受けたドーピング検査で、違反物質の検出は一切ない」と発表した。同社との契約を打ち切る方針はない。

 含有問題は同社が安全性を裏付けようと自主的に行った検査の過程で発覚した。会社側は古式梅肉エキスの原料は梅のみとしており、4月の会見で松本喜久一社長は「梅由来の成分なのか、加熱の工程で発生するのかどちらかだと思う」と戸惑いを口にしていた。